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[ADIDAS CUP 2016 in FUKUOKA]「相手よりも走って、喋って、戦う」東海大福 岡 が2連覇!新校名で初めて臨む選手権へ弾み

[8.19 ADIDAS CUP 2016 in FUKUOKA 松山工高 0-2 東海大福岡高 グローバルアリーナ]


 地元・九州勢を中心とした強豪12校が秋の戦いへ向けて力を磨いた「ADIDAS CUP 2016 in FUKUOKA」は19日、決勝戦を行い、東海大福岡高(福岡)が2-0で全国高校総体出場校の松山工高(愛媛)に2-0で勝利。東海大五高から今年4月に校名変更した東海大福岡は昨年に続く優勝で2連覇を達成した。

 声と運動量は60分間の決勝戦で最後まで途切れなかった。MF橋本祐汰(2年)が「相手よりも走って、喋って、戦うというコンセプトがあるので(現在は)それを全員でやれていると思っています」という東海大福岡がコンセプトを貫いて勝利。林紘平コーチは「自分たちからやろうというコンセプトがありました。決勝は『とにかく自分たちでやること、ベンチも戦おう』と送り出しました。内容にもこだわってやってくれた」と語っていたが、ピッチサイドで声をかけ続けていたサブ組の選手含めてそれぞれがやるべきことをやり抜いて、強豪対決を制した。
 
 松山工とは全国高校総体前に対戦してドロー。今大会、松山工は国体予選参加によって注目の大型GK伊藤元太(1年)や全国総体でゴールを決めているFW向井和哉(1年)が不在だったが、それでも東海大福岡は勝ち切って夏に進化してきたことを証明する。立ち上がり、松山工はこぼれ球に反応したFW石井隆之介(2年)の右足シュートがゴールを襲う。だが東海大福岡は5分、MF河野真吾(3年)からのパスを受けたエースFW及川翔五(3年)が相手DFの股間を通すドリブルで抜け出し、GKとの1対1から右足で先制点を奪った。

 及川の今大会8得点目でリードを奪った東海大福岡。対する松山工もすぐさまチャンスを作り返す。8分、こちらも注目のCB志摩奎人(2年)の絶妙なフィードから石井が抜け出し、9分には右CKからFW脇田拓海(3年)が決定的なシュート。だが、この一撃はゴール前の味方選手に当たってしまい、同点に追いつくことができない。

 その後は東海大福岡の司令塔・MF高橋健(3年)が好パスを連発。18分には背後からのパスをコントロールした河野が決定機を迎えたが、これは相手守備陣の好守に阻まれてしまう。それでもGK今村勇介(2年)やCB藤好立樹(3年)、CB澤田有佑(2年)中心に守る東海大福岡はFW石原光一朗(3年)やFW仲谷玲朗(3年)、右MF河野がスペースへの抜け出しを繰り返し、また右SB井上結貴(2年)と左SB今村太一(2年)も絡んだサイド攻撃で松山工にプレッシャーをかけていく。

 松山工も1対1で強さを発揮した志摩やCB水戸悠輔(2年)が最後の局面で跳ね返すと、MF西河翼(3年)やMF大木秀仁(3年)を起点に反撃。地上戦で勝負して相手PAの攻略を図った松山工は後半、セットプレーから決定機もつくり出して東海大福岡ゴールを脅かす。だが、1-0のまま試合を進めた東海大福岡は後半25分、及川からのパスを受けた橋本が右足ミドルを突き刺して2-0。松山工も終盤にカウンターからMF芳之内啓(2年)がPAへ切れ込むなどチャンスをつくったが、1点を奪うことができなかった。

 平清孝総監督が強敵との対戦で劣勢になっても挫けないような自信をつけることを期待していたが、東海大福岡はチームの自信を深める優勝。「相手よりも走って、喋って、戦う」勝つ部分を発揮しての見事な勝利だった。及川は「きょうはみんな一人ひとりが声出して戦っていたので勝てたと思います。結構夏の時から走ってきたので体力のところは自信があった。自分最後の代なので絶対にヒガシ倒して全国に行きたいと思っている。今からの時間を大切にするしかない」。選手権福岡県予選は全国連覇を狙う東福岡高や九州国際大付高、筑陽学園高などが名を連ねる激戦区。チームにとっては4年ぶり、新校名で初となる全国出場へ、東海大福岡が「ADIDAS CUP 2016 in FUKUOKA」優勝を弾みとする。

ゲキサカより(取材・文 吉田太郎)